スポーツ整形外科
スポーツ整形外科とは
スポーツによって組織損傷を起こしている状態の患者さんを対象とした診療科がスポーツ整形外科です。
このような状態というのは、主にスポーツ中に生じた外力による組織の損傷(スポーツ外傷)と、過度の負荷を長期的に繰り返されることで生じた損傷(スポーツ障害)が考えられます。
当院では、これらスポーツ傷害の診察・治療を各スポーツ種目による傷害の特殊性を考慮しながら行っていきます。
スポーツ傷害による治療法ですが、一般の整形外科で行う診療と異なり、特殊なケースが多いです。
そのため、スポーツによるケガをなさった場合は、初期治療が大切ですので速やかにご受診ください。
また治療だけでなく、再発予防を目的としたリハビリテーションにも注力しており、スポーツ障害の患者さんを対象にした運動療法プログラム(筋力強化、ストレッチング、運動動作指導など)もご用意しております。
このように傷害予防にも努めながら、皆さんのスポーツ活動を当院はサポートしていきます。
腰椎分離症
スポーツを一生懸命に頑張っている子供達は時として、腰痛を訴えることがあります。
全ての子に当てはまることではありませんが、継続する腰痛がある子には、腰椎分離症という、疲労骨折が起こることがあります。
腰椎分離症であった場合に、治療をせずに放置してしまうと大人になってから、腰痛に悩まされる人が多いです。大人になってから、発見された分離症は腰椎のすべり症に移行することもあり、痛み止めの内服や注射、コルセットの装着、リハビリテーションが必要になることが多いです。
できれば、疲労骨折をしっかりと治療してあげることが、将来の腰痛を防ぐ事につながります。
腰椎分離症の診断は、まずはレントゲンで行います。レントゲンで診断がつかない場合にで、分離症を疑う時には、MRIを行います。MRIで、分離症の診断がついた場合には、骨折の状態を詳しくみるためにCTを行います。
治療としては、腰椎の硬性装具を作成し、部活や体育のスポーツを一時期中止といたします。当院では、その時期に他の関節などが固くならないようにするために、腰椎に負担のかからないリハビリテーションを行ってまいります。スポーツができない間に、スポーツへの意欲の低下を防ぎ、スポーツ復帰後に再発を防止する事を目標としております。
3ヶ月に1度、CTにて骨折の状態をチェックし、骨がくっついてきたら、装具を外します。骨折部分がまだ、くっついていない場合は再度3ヶ月同じ治療を行ってまいります。
装具を外すことができた場合には、再発を予防するため、腰周囲のストレッチ、筋トレの指導をリハビリテーションにて行ってまいります。
スポーツ傷害が原因で発生する主な組織損傷
スポーツ外傷
- 骨折
- 腱断裂
- 靭帯損傷
- 肉離れ
- 筋断裂
- 筋挫傷 など
スポーツ障害
- 疲労骨折
- 骨壊死
- 骨の変形
- 腱炎
- 腱鞘炎
- 靭帯炎
- 関節の不安定性
- 習慣性脱臼
- 筋炎 など
部位別によるスポーツ外傷とスポーツ障害
頸部
スポーツ外傷
- 頸部(頚髄、頸椎)損傷
- バーナー症候群
肩・上腕
スポーツ外傷
- 投球骨折
スポーツ障害
- 野球肩
- 水泳肩
- 上腕二頭筋長頭筋障害
- 肩峰下インピンジメント症候群
胸部
スポーツ障害
- 助骨疲労骨折
肘関節、前腕
スポーツ障害
- 野球肘
- テニス肘
- ゴルフ肘
- 離断性骨軟骨炎
- 尺骨疲労骨折
手、指
スポーツ外傷
- スキーヤー母指
- 槌指
腰部
スポーツ障害
- 脊椎分離症
大腿
スポーツ障害
- 大腿骨疲労骨折
骨盤、股関節
スポーツ外傷
- 骨盤裂離骨折
スポーツ障害
- 坐骨結節骨端症
- 骨盤疲労骨折
- 大腿骨頸部疲労骨折
脚の筋肉
スポーツ外傷
- 肉離れ・筋断裂
- 筋挫傷
膝・下腿
スポーツ外傷
- 半月板損傷
- 膝十字靭帯損傷
- 膝蓋骨脱臼
スポーツ障害
- 離断性骨軟骨炎
- ジャンパー膝
- ランナー膝
- 腸頸靭帯炎
- 鵞足炎
- シンスプリント
- オズグッド・シュラッター病
- シンティングラーセン・ヨハンソン病
- 脛骨疲労骨折
- 腓骨疲労骨折
足
スポーツ外傷
- アキレス腱断裂
- 足関節靭帯損傷
スポーツ障害
- シーヴァー病
- アキレス腱炎・周囲炎
- 足底腱膜炎
- 中足骨疲労骨折
- 踵骨疲労骨折
- 舟状骨疲労骨折