腰痛
腰痛とは
腰痛の原因の多くは、腰椎(ブロックのように積み上げられた5つの骨(腰椎)で構成されている部分)に負担がかかったり、障害が起きたりすることによって発症しますが、その他にも多くの要因が、腰痛の発症に関係しています。
腰痛の多くは、発症後1ヵ月ほどで症状が改善する一過性の急性腰痛(ぎっくり腰など)の患者さまが多いですが、これは再発する可能性が高いです。
また発症から3ヵ月以上経過した腰痛については慢性腰痛と診断されます。
腰痛経験がある日本人は70%を超え、今や国民病のひとつにも数えられる腰痛ですが、この症状を訴える方が整形外科などの医療機関を受診し、その原因が特定できる確率は15%程度で、残りの85%の方は不明と言われています。
ちなみに原因が特定できる腰痛は特異的腰痛、特定できない場合を非特異的腰痛と言います。
当院ではその原因を詳しく考え、それに伴った治療を行ってまいります。
他院で、原因不明と言われたことがある方は、一度、諦めずにお気軽に相談してみてください。
腰痛は正確な診断が重要なので、医師に症状を訴える際は、腰がどのように痛いか、どんな時に痛むか、また腰以外にどこが痛いかなどについて、詳しく伝えるようにしてください。
特異的腰痛について
特異的腰痛には、脊椎や椎間板、筋・筋膜の部位に比較的障害が多いとされています。
主な原因疾患は次の通りです。
これらの場合、腰痛を軽減させるには原因疾患の治療が優先されます。
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 腰部脊柱管狭窄症
- 脊椎外傷
- 脊椎分離(変性)すべり症
- 骨粗しょう症
- 脊椎感染症
- 炎症性疾患(関節リウマチなど)
- 筋・筋膜性腰痛
- 腎結石
- 尿路結石
- 腎盂腎炎
- 子宮内膜症
- 子宮筋腫
- 妊娠
- 腹膜炎
- 胆石
- 胃・十二指腸潰瘍
- 腰部大動脈瘤
- 解離性大動脈瘤
- うつ病
- 神経症 など
腰痛の診療と治療について
腰痛の原因を調べる検査方法としては、詳細な問診や身体診察のほか、X線検査、CT、MRI、超音波検査などを用いて、総合的に判断します。
その後、原因に合わせた理学療法を主体とした治療を行い、生活指導や腰痛体操といったご指導をしながら、各種ブロック注射、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)、神経障害性疼痛に対する薬、慢性疼痛に対する薬、貼付剤などを使用した薬物療法を組み合わせて患者さん一人一人にオーダーメードの治療を積極的に行ってまいります。
予防対策も大切
日頃から腰痛を起こしやすいとされる方は、姿勢の悪さ、体幹や下半身の筋肉バランスの問題といったことが考えられます。
このような場合や筋力の低下を改善するには「腰痛体操」が効果的です。
ただ、腰痛の種類や病期によっては、悪化することも考えられますので、腰痛の症状にお悩みの場合は、一度ご受診ください。