ロコモティブシンドローム
ロコモティブシンドロームとは
ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome、略称:ロコモ、和名:運動器症候群)とは、主に加齢による筋量の低下(サルコペニア)、関節や脊椎の病気(変形性関節症)、骨粗しょう症(骨量の減少)などが原因で運動器の機能が衰え、要介護や寝たきり状態になっている、もしくはそのリスクが高い状態を言います。
なお運動器の衰えとは、筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器のいずれか、もしくは複数に障害が起こり、「立つ」、「歩く」といった機能が低下している状態です。
進行すると次第に日常生活にも影響を及ぼすようになります。早い方の場合、50代からロコモの可能性が疑われるようになります。
なおロコモは、「メタボリックシンドローム(メタボ)」や「認知症」と並び、「健康寿命の短縮」、「寝たきりや要介護状態」の3大要因のひとつになっています。
まずはロコチェック
最近、運動器が衰えたと感じる、バランス機能が低下しているのかつまずきやすいなど、自らがロコモかどうか心配という方は、日本整形外科学会公認のロコモティブシンドローム予防啓発公式サイトにある「ロコチェック」にて、ご自身がロコモか否かをご確認ください。
1つでも当てはまるようであれば、その数が0になることを目指してロコモーショントレーニング(ロコトレ)を開始しましょう。
なお、ロコトレを始めるには、当院へ一度ご相談ください。
まずはロコチェック
- 片脚立ちで靴下が履けない
- 家の中でつまずいたり、滑ったりする
- 階段を上るのに手すりが必要
- 家でのやや重い仕事が困難である(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)
- 2kg程度の買い物袋を持ち帰るのが難しい(1リットルの牛乳パック2個程度)
- 15分くらい続けて歩くことができない(40歳代の方は30分程度)
- 横断歩道を青信号で渡りきれない
ロコトレとは
ロコトレの内容は画一化されたものではありません。
患者さまによって移動機能低下の状態というのはそれぞれ異なることから、訴えている症状によって変わっていきます。
同トレーニングは、運動器をできるだけ長持ちさせ、健康寿命を延ばしていくことを目的に行うものです。
内容については、決して難しいものではありません。
2つの運動(片足立ちとスクワット)を継続的に毎日行うことで予防となります。
片足立ちはバランス能力をつけるためのもので、スクワットは下肢筋力をつけるために行います。
このほか、自分の体力に合わせて、ふくらはぎの筋力を鍛えるヒールレイズ、下肢の柔軟性や筋力をつけるフロントランジなどを組み合わせると、より効果的になります。
当院では、リハビリテーションルームで医師の指示のもとに理学療法士がロコトレの指導、筋力トレーニング機器を用いての訓練などで予防や治療を行っていきます。